しるく和紙

  • 2019.05.24
  • RIN
しるく和紙
丸森町は昔から紙漉きが盛んで、
「丸森和紙」として仙台藩に納めていた歴史があります。
明治の最盛期の頃には、150戸もの紙漉き業者がいたそうです。
和紙の原料となる楮(こうぞ)の生育に適し、
きれいな清流も和紙作りの条件に合っていたのですね。
その和紙職人さんも、今はたった2戸になりました。
その1戸の紙漉き職人さんは、
この丸森にしかない「しるく和紙」の紙漉きもされています。
通常の和紙は、楮とトロロアオイが原料ですが、
「しるく和紙」は、桑枝と絹糸。
桑枝を切り、蒸して、表皮を剥ぎ、繊維をとります。
そしてそれを煮て、叩いて、柔らかくしたものと絹糸を合わせて紙を漉く。
冷たい水に手を入れて行う、すべてが手作業の紙漉き業。
手を真っ赤にしながら、紙漉きに向き合う姿は本当に美しいものです。
「ピュアしるく」と呼ばれる、まるで布ような手触りの和紙は、
桑枝も入れないしるく100%さらに技術を要するそうです。
衰退する養蚕産地の活性化に繋げようという県の取り組みの中で、
商品にならない絹糸や繭、桑枝などの副産物を利用したもので、
2001年「新世紀・みやぎ国体」に使う表彰状作製を
県から受注したのを機に、しるく入りの和紙漉きがはじまりました。
今は子ども達が、自分の卒業証書をシルク和紙で漉く小学校もあります。
優しい手触りや、光によってきらめく光沢が魅力的な「しるく和紙」。
触れるたびに、
女性の職人ならではの繊細な質感や、
昔ながらの手法で、身近な自然素材を生かしたモノの存在感、
そして代々受け継がれてきた生業の歴史を感じずにはいられません。
 

5 いいね!
読み込み中...