エルブルース登山 その①

エルブルース登山 その①

先日、投稿した2018年エルブルース登山の記録を日程を追って紹介していく。

出発までのいきさつは下記の前の記事をご覧ください。↓↓↓

「7大陸最高峰 エルブルース prologue」

 

 

2018年8月9日移動日

台風の影響を考慮し、前夜初で成田へ車を走らせる。下道を使い朝6時半に成田に到着する。パーキングは近郊の安いところを選んだ。11日間で4500円ほどである。急いで来たが、思ったほど台風の影響は無かった。フライトまで12時間、することが無い。チェックイン開始まで各々時間を潰す。今回は初の海外登山、荷物が十分なのか非常に気になる。隊員の荷物を見せてもらう。副隊長のバッグはどう見ても私の半分くらいしか無い。カメラは余分に持ってきていたが、それでも私の荷物は多い気がした。重量を見ると私は18.8㎏、副隊長は12㎏だった。これが経験の差なのだろうか。とりあえず、忘れ物はたぶん無い。飛行機は定刻より25分早く出発した。移動の疲れもありイルクーツクまでは、食事以外ずっと眠っていた。

 

8月10日移動日

イルクーツクに到着すると、入国審査がある。渡航歴の多い人はやたらと時間が掛かる。50分くらい掛かっただろうか。その後古い到着ロビーで現地時間朝6時まで仮眠をとる。場所は地下鉄のホームのような場所である。各々床にシートを引いてごろ寝をする。まるでホームレスになったような気分である。とはいえ、みんな良く眠っていた。朝になるとロビーに人が出入りし始めた。しかし、案内板に搭乗予定のフライトが無い。時間はあるが、なにやら怪しい感じがして係員にチケットを見せると、ターミナルが違うと告げられる。これはまずいと急いでターミナル2へ移動する。こちらのターミナルは、綺麗で大きなものだった。ここならもっと快適な仮眠が取れただろう。とはいえ、乗り継ぎには無事に間に合った。ここから国内線でモスクワへと飛ぶ。モスクワでは換金を済ませた。レートはやはりこちらの方が良かった。モスクワから今度はミネラリエボディへ飛ぶ。ここで長い飛行機の移動は終わりである。現地に着くと、ロシア山岳連盟のディミトリーとガリーナが出迎えてくれた。早速、手配してくれていた車に乗り込み今回の拠点となるアザウへ向かう。現地の天候は雨だった。途中、マーケットで飲料水と行動食を少し買い足した。夜10時ごろアザウに到着し遅い夕食をとりホテルで休養をとった。

登山の拠点となるアザウ

8月11日休養日

8時に朝食をとる。この日は休養日になっているが、ディミトリーたちの勧めで近場のトレッキングを行うことになった。アザウの標高は2350mである。ちょっと登れば軽く3000mを越えてしまう。体力が少し心配になったが、やはり初めての土地でのトレッキングは楽しい。何だかんだ3100mくらいまで上がってしまったが、道は良く疲れはしなかった。富士山の順応も十分にできていたのだろう。うっすらエルブルースの西峰が顔を見せていた。ただ、下山中に急に鼻血が噴出した。飛行機からずっと乾燥した場所に居たためか、粘膜をやられたのだ。鼻にティッシュを突っ込みそのまま降りる。鼻血は夜中にもう一度噴出した。ただの鼻血なのかちょっと心配になったが、その後は止まった。

遠くにコーカサスの山々を望む
柱状節理の崖の脇を歩いていく
日本語でおさげの滝

8月12日高所順応1日目

8時に朝食をとる。この日は雨だった。10時にゴンドラに乗り込む。2350mからゴンドラを乗り継ぎ3850mのガラパシ駅に到着する。そこから3700m地点にあるバレルス小屋へとゆっくり呼吸をしながら下る。バレルス小屋がこの日の宿泊先となる。小屋につき荷物を整理する。外は雨から雪に変わり、時折吹雪いていた。午後になると風雪は弱まり、行動可能になった。バレルス小屋から再度高度をあげ3950m地点へと向かう。できる限りゆっくり、息をあげないように歩みを進める。また、水を意識的に飲む。目安は2ℓ。17時の食事に合わせて小屋へ下る。ここまでは、まったく高度の影響は出ていない。食欲もあり、体調は良い。小屋についてからはすぐに寝てはいけないと言われ、外をふらふらと散歩をした。SPO2(血中酸素濃度)も90%近くあり十分に順応してきている。しかし、睡眠をとって目を覚ますと、頭がぼやぼやとした感じになった。SPO2は83%に落ちていた。若干高所の影響が出てきている様だった。水分を取りしばらくすると収まった。睡眠中は呼吸が浅くなり高山病になり易いというのはこのことだろう。同じ部屋の隊員は、頭痛がでてさらに軽い嘔吐をしていたらしい。

中は6人部屋で快適
小屋は有名なドラム缶型
小屋前でゆっくりと過ごす

8月13日高所順応2日目

3時起床、各自朝食を取り、4時順応登山を開始する。ひたすら時間を掛けて高度を上げていく。1時間かけて標高を100mずつ上げていくくらいのペースである。この日は快晴で、エルブルースの双耳峰が見事に見えていた。体調は非常によくほとんど息切れもなく登ることができた。この日は、4500mのパスツーコフ岩までを目指していたが、4200m地点で風が強くなり、下山をした。下山後は、ゴンドラを利用して、一気にアザウまで下る。疲労はほとんどしていなかったが、順応がどれだけ進んでいるのかは体感では分からなかった。ただ、SPO2はアザウで98%となっており順応が数値に出てきている様だった。

夜明けを迎えたエルブルース
快晴の中順応登山を行う
眼下に広がる山々の景色が素晴らしかった

8月14日休養日

休養日のはずだったが、ロシア山岳連盟の2人がこの日もトレッキングに連れて行ってくれることになった。アザウ近くの氷河から落ちる滝を見て、その後氷河から出る川の岸を6㎞ほど下りチェゲット村に立ち寄った。下りとはいえ、結構歩いたような気がする。かなりアクティブな休養である。チェゲットに着くとそこからリフトでチェゲット山を登った。山頂までは距離があったので行かなかったが。3000m近くまで登って行った。ここからは、コーカサスの山々が一望できる。エルブルースも見えるはずだったが、雲がかかっていた。コーカサスの山々の山容は本当に素晴らしいものだった。氷河が削り出した、荒々しい姿はずっと見ていられるほど魅力的なものだ。日本にないこの景色をしっかりと目に焼き付けた。

中央の7が見える山がホワイトセブン
フィチ二 すごくおいしかった

次回の記事ではアタックの詳細を紹介する。

高所登山のタクティクスを実際に経験していくことになる。

 

もうすぐ一年。なんだか懐かしい。

 

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