警報時はツアー中止という決まりについて。

警報時はツアー中止という決まりについて。

自己紹介が遅れました、自分は屋久島でガイドをしています、カンザキと申します。
このブログをどんな人が読んでいるのか?皆アウトドア業界の人間ばかりが書いている訳だから、皆同業者であったり、とりあえずアウトドア関連に興味と理解がある人が集まっている場だと仮定して書いてみたいと思います。

屋久島のガイドというとまぁ、本土のアウトドア業界とは隔絶された環境で独自の進化を遂げてきたという事もあり、まぁ特に山岳ガイド系の方面からは見下されることも多かった。実際「そりゃないだろ」というガイドも今まで色々居たし、真摯に仕事をしている側としては努力が可視化・差別化できるような制度が欲しい。
そういった事もあり、屋久島独自のガイドの資格制度を作ろうと言う試行錯誤はもう20年近くもの歴史を持つに至り、現在は「町公認ガイド」に落ち着こうとしている。

資格制度、といっても例えば医師免許の様に、その資格無しには仕事ができないというものはそう簡単には作れない。日本国憲法の下に「職業選択の自由」というものが保障されている。だから法的な強制力は無いにせよ、その「公認」して貰うにあたって遵守が求められる規則がいくつもあり、その中の一つが「気象警報の発令時にはツアーを催行しない」と、いう、今年の豪雨災害でマスコミによって問題視されたモノだった。

このきまり、ごく当たり前の様に思われても実は このように実質地域のきまりとして明文化されている例は、国内では他に例が無いと聞く。{どこかにあったら教えてください。}決まりがあるだけで革新的な事の筈。

デメリットも当然ある。

例えば「台風一過」の様に、すでに明らかに危険は過ぎ去りピーカンに晴れ渡っているのにすぐには警報が解除されない事がある。縄文杉や宮之浦岳の様にツアー時間が長いものは早朝の段階で催行可否を決定しなければならず、むしろ最高の登山日和だという時に登山を諦めなければならない場合がある。どんな決まりでも個々のガイドの裁量権は確実にそがれてゆく。
何より登山という行為は、根本的に「自由」であるべきだ。{と、いうと、「自分勝手」や「傍若無人」の例を出してくる輩が居そうだが違う。}説明しがたいが「自由」を背負った文化なのだと思っている。

しかし現状がどれだけ「問題無い」状況であっても、何らかの不運な事故が発生した時には「警報発令時に催行した」という世間からの叱責を受ける可能性がある。明文化された遵守事項であれば「きまりだから仕方がない」と ツアー中止時に願い叶わぬお客様の想いの矛先から逃れる言い訳にもなる。

そう、荒天時にも行きたがるのは大体においてガイドより顧客側だ。縄文杉登山を目指せばおのずと二泊三日以上の休みを取り、宿泊費、交通費だけで一人頭三万円程以上の出費にはなる。

腹をくくってのんびりと、日々の喧騒を忘れて優雅にコーヒーをのみ 窓を伝う水滴を眺める、気にはナカナカならないようで、多くの人はこういう。

「行ける限りは、行ける所まででも、行きたいです!」

さて次週は、「縄文杉登山の雨天時のリスク」について。

 

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