夏の常念岳

夏の常念岳

常念岳は私が北アルプスで初めて登った山だ。

本当にいい山だと思う。

常念岳の山行はすごい感動を得て、すごい痛みのある山行だった。

大好きな山

その頃は、とある企業の現場研修で工場勤務をしていた。交代勤務に明け暮れながらもなんとか夏山に行こうと画策していた。ところが、その1週間前に600度近い高温の金属が私の上に降り注ぎ火傷を負う事故にあってしまった。背中や腕のところどころに火傷を負うことになった。ただ幸いにもその部位は軽い火傷で済んだ。しかし、一番の問題は足の火傷だった。降ってきた金属が安全靴の中に入ってしまい、足の土踏まずに500円玉サイズの2度の熱傷ができた。

病院へ行くと、まず言われたのは安静にしなさい。登山は難しい・・・。でも、この常念岳は何としても行きたかった。それは、基本的に熱しやすく冷めやすい私が唯一続けたいと思っていたのが登山だったからだ。いつもすぐに飽きてしまうことが多いのだが、登山だけは自然にのめり込むことができた。その登山で北アルプスデビューは何としても果たしたかった。よく分からないがその時はそう思ったのだ。

2回目の通院で、先生に何とか行く方法がないかと尋ねた。すると、実は先生も登山愛好家だった。本当は無理をさせてはいけない立場にも関わらず、行ける方法を提案してくれた。ただ、ある程度の悪化と痛みは覚悟してくれともいわれた。やったーと思いつつもこんな状況でいきなり北アルプスに行っていいのか不安もよぎった。

登山靴を履いただけで痛かった・・・

1泊2日の登山。足の火傷は、パッドをきつく固定し傷口が化膿しないように厳重にカバーをしていた。ただ土踏まずをつかわない登山などできるはずがない。出だしっから痛かった。同行の人には内緒にしていたのだが、今思うと危険なことしてたなと。(不調はパートナーに必ず伝えましょう。)先生に言われていたのは、2日間パッドを絶対にはがすなということ、それは化膿を防ぐためだ。正直あまりにも痛くて何度かのぞいてみようと思ったのだが、一応言いつけは守っていた。

顔は笑ってるけど足は激痛

痛みにずっと耐えていたので、正直登りの記憶はあまりない。ただ、乗越に出てからの景色は最高だった。心の底から「うわーすげー」って思える景色だった。自分の足でこんな大パノラマを見にこれたんだと感動した。この時ばかりは、足の痛みを忘れていた。来てよかったと思える場所だった。やっぱり登山は好きだと再確認したような気がする。

今思うとなんかやつれている

下山。ただただ痛い。もう足を置くことさえ嫌だった。でも、前日の感動のおかげか痛くても意地だけで歩くことができた。本当にいい体験ができたのだからきちんと降りなければと思っていたのだ。こんなにもくもくと歩いたのはいつぶりだろうか。後半は痛みを通り越して、無我の境地に入っていた。下山後、待ちに待ったパッドのオープンイベント。うわ~って感じだった。つぶれた豆があるのに歩き続けていたような、痛々しい状態。今思えばそれも思い出ということだろうか。

中は血がにじんで頑張った感のある靴になりました。

苦しいのと楽しいが一緒にあるのが登山。

両方がいいバランスで登山を続けていきたいなと。

まあ、怪我しているときは無理しない方がいいよね。あたりまえだけど。

 

なんだろう、でもこの時は行きたかったんだよな~

 

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