ねぶたキャンプ場で野菜を育ててた話

ねぶたキャンプ場で野菜を育ててた話

8月2日 初日

もうどういうきっかけだったか忘れてしまったが、今年のねぶたキャンプ場では野菜を育てていた。

キャンプ場への到着は8月2日。ねぶた最終日7日。
6日あれば何かしらの野菜が作れるのではないかと。
たぶんそんな感じの流れだったと思う。
深い理由などまったく無いので覚えてはいない。

たまらぬ暑くてタープの下から出たくないなんて思っていたが、野菜を育てたいと思いついてからの行動は早かった。
さっそく小林君と共にキャンプ場裏にあるコメリへと向かうことになった。

コメリまで歩いて10分ほどだろうか、
「やはり早く育つと言えばカイワレ大根であろう。カイワレならいける」
と、無駄な自信を胸にカイワレ大根に標的をしぼり、如何にして育てていくかという議論を小林君と重ねながらコメリへと歩みを進めた。

しかし、コメリにはカイワレ大根の種の取り扱いが無かった。
何故だ。

あきらめきれなかった私は、とにかく早く育つ野菜を、ということで種の袋の裏に書いてある育成期間の確認作業に入った。

早く育ち、食えるもの。
しかも汎用性のある野菜。
ということで
「はやどり小松菜」を選ぶことにした。
説明によると小松菜の育成期間は約20日とある。
6日あれば、5cmくらいにはなるのではないか。
5cmあれば食える。

私は嬉々として小松菜の種を手にキャンプ場へ戻った。

とりあえず、”水耕栽培”、”軽く土を耕し植える”、”ワイルドにその辺にばら撒く”という三種類の育成法で試してみることにした。


左奥の矢印あたりで育てることにした。
横の黄色いテントは私の物である。

 


水耕栽培の様子
スーパーのお総菜が入っていただろうパックに、キッチンペーパー。
これで十分であろう。

時間は午後。
我々のいる場所は建物の陰となり、まずは種にしっかり水分を吸わせるという工程で野菜育成初日は終わっていった。

 

8月3日 2日目

朝起きて眠い目を擦りながら、まず種のチェック。
変化は無い。

ように見えたが、よーーーーーく見るといくつかの種が割れ中から白い芽のようなものが出ているではないか!

感動である。

昨日植えて今日。
さっそく生命が誕生している。

その後もちょこちょことチェックしていると確実に芽が出ている種が増えている。

私がタープの下でだらだらしている間にも、刻々と成長する小松菜。

これはやはりカイワレも育てたい。

ダイソーで二袋100円のカイワレの種を買ってきて、水耕栽培を進めることとした。

水の量や日当たり。
どんな環境がベストか。
そんなことも考えて、いくつかパターンを作る事にした。

 

日当たりの研究ということで日時計も作成した。

11時半を示している。

 

8月4日 3日目

 

左:小松菜 右:カイワレ

小松菜はグングンと成長し、緑色の部分も見えている。
カイワレはさすがに成長が早く、昨日の小松菜に比べ芽の部分が大きいように感じる。

 

しかし、この成長速度で3日後に食べれるだろうか・・・
なんて不安な気持ちを抱きつつ、チラリと土に植えた場所を見てみると、
あきらかに周りの雑草とは違う植物が生えているではないか。

「見てみてー、小松菜出てるよー」の図


小松菜出てる!
しかも、水耕栽培しているものより成長が早い。

 

私の気持ちはすぐさま水耕栽培から畑へとシフトし、荒らされないように柵と立て看板を作ることにした。

そして、土の力を感じた私は小松菜の横にカイワレを植えることにした。

8月5日 4日目

 


見るからに成長している。
そして、野菜達のことが気になって気になってしょうがない。
これが母性というやつなのだろうか。
土が乾いている様子ならば、これでもかと水をあげている過保護な親父と化していた。

8月6日 5日目

もうこれは森だ。
森と言っても過言ではないだろう。

グングンと成長する小松菜。
もしかしたら明日には、5cmくらいになっているかもしれない。
いや、なってくれなければ困る。
明日の夜が収穫日。
タイムリミットまであと30時間ほどだろうか。
行けるとこまで行ってくれ。
栄養剤等のドーピングもいろいろ考えていたが結局実行せず。
また来年ドーピング野菜を試そう。


カイワレも成長しているが、やはり小松菜より1日出遅れたのは厳しいか。
しかし水耕栽培のカイワレよりは成長が早い。
期待せずにはいられない。

8月7日 6日目

朝七時

ねぶた最終日。
今夜が収穫祭だ。

今日の予定は、朝いちばんから温泉に出かけ、そのまま昼に跳ねて食事をして帰ってくる。

しかし見てくれこの成長っぷりを。

とくにカイワレ。
昨日に比べ緑が断然濃い。
今日の午前中に太陽をサンサンと浴び最後の成長をしてくれ。

私はわが子へたっぷりと水を与え、温泉へ、そして最後の昼跳ねへと向かった。

午後5時 キャンプ場へ

おわかり頂けるだろうか。
この違いを。

およそ8時間でこうも変わるとは。
朝までは小松菜と同じくらいの大きさだったカイワレは、グンと伸び小松菜を追い抜いている。

男子、三日会わざれば刮目して見よ。
という慣用句があるが
カイワレ、八時間会わざれば刮目して見よ。である。

このまま成長を見守りたい。
そうも思ったが、今日食べねばならない。
そういう運命なのだ。

正式な収穫前に少し食べてみることにした。

カイワレは辛い。
それだけで嬉しかった。
この5日間、しっかりと辛みを蓄え成長してくれたのだね。
お父さんは嬉しいよ。

小松菜は味が無かった。
やはりまだ早かったのだろう。
成人まで20日かかるとすれば、この子たちはまだ6日目。
一番可愛い盛りであろう。
きっとこれからグングンと成長し、いろいろな経験をし、思い出を作ってくれたのだと思う。
こんな小さいうちに食べてしまうなんて、こんな非道なお父さんを攻めておくれ。


「ほらほら、カイワレ辛いでしょ。」の図

当初は明るいうちに収穫作業を。と、思っていたが
私の母性が引っこ抜くことに躊躇を覚え、なかなか収穫できなかった。
しかし、このままではいかんと意を決して収穫した。
思った以上の量が採れかなり満足である。

左:カイワレ 右:小松菜
右上のパックは水耕栽培のカイワレ


しっかり泥を落とします。
ねぶたの花火の音を聞きながら黙々と泥落としの作業です。


まずは鯛の刺身に乗せてみる。
これには癖のない小松菜を。
うむ。淡白な鯛に味のない小松菜が良く合う。
そして小松菜のシャキシャキ感。
いいと思う。


こちらのバラ焼きにはカイワレを。
こってりとしたバラ焼きをカイワレが爽やかに。
これもいいではないか。

8月8日


昨日の残った肉たちに最後の野菜たちとパンで挟んで。
これが一番おいしかった。
彩りも最高ではないか。

これを食べきってねぶた農園は正式に閉園となった。


全ての撤収が終わり、何もなくなった。

そういえばと一番最初にワイルドに撒いた小松菜たちを探したが影も形もなかった。
やはり愛情がなければ野菜は育たないのだろう。

大人の自由研究。
やはり、暇というパワーは、小さな事柄を大きく見せてくれる。

この、ねぶたキャンプ場での一週間は特に何もない。
どうでもいいことに本気になれる一週間。
だから新しいことが生まれる一週間。

来年は何を育てよう。
来年は何をしよう。

おしまい

 

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