前穂高岳北尾根

前穂高岳北尾根

言わずと知れた有名バリエーションルート。槍奥の縦走なんかをすると途中で前穂のギザギザした稜線を見ることになる。あそこに行ってみたい!ときっと思う美しい稜線だ。私もその一人だ。バリエーションの経験もまだ浅いころ、同じく経験のまだ少ない相方と一緒にそこを目指した。

核心となる3峰

涸沢から五、六のコルを目指し始めるとそこから一般ルートを外れる。悪いことをしているわけではないが、なんだか本当に行ってもいいのか?という気持ちになった。恐らくビビっていたのだろう。コルに張ったテントは稜線上で両サイドは崖になっている。夜には落石の轟音が響いていた。こんなおっかないとこに泊まったのは初めてだった。

今となっては意外に広いが・・・

翌日の登攀の為に、水、食料を削りシュラフもペラペラの1枚。この時は、当時自分ができる最大の軽量化をやってみた。喉は乾くし夜は寒い。まだ快適な山行しかしていなかった私にとっては、それはそれで面白い体験だった。以外に寒さはなんとかなる。ただ水は、削りすぎると後がつらい。最後は水を求めて岳沢まで全力で駆け下りた。

日の出前にテントを出て登攀を始める。初めてクライミングゲレンデ以外でロープを出した。なくても行けるルートだという人もいるが、この時は安全パイをとった。クライミング自体は簡単だ。でも、いろんなかもしれないが頭をよぎる。石が抜けるかもしれない、足元が崩れるかもしれない、プロテクションが抜けるかもしれない。初めてというのはきっとそういうものなのだろう。いわゆる本チャンルートだ。ゲレンデとは違う緊張感がある。でもそのおかげで、最高に楽しむことができた。あの時の高揚感は今も覚えている。

頂上に抜けた時の気持ちの高ぶりは、今までのものとは違う格別のものだった。普段登っているクライミングルートのグレードより確実に簡単であったが、それよりも達成感、充実感は勝っていた。新たな山の世界を見つけた気分だった。

初々しさ

 

 

自分が経験していないことに足を踏み入れるということは大事だと思う。

もっともっと経験したい・・・

またヨセミテにも行きたいし、ヒマラヤも行きたい。

スコーミッシュやタスマニアにも行ってみたい。

まだまだこれから。

たーちん
静岡県浜松市在住 ニックネーム:たーちん  リバーガイドであり、日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(ステージⅡ)でもあるたーちんです。どちらかというと、山がメインです。夏は川、秋から春は山を中心にアウトドアにどっぷりと浸かった生活をしています。登山の方は、これまでに、7大陸最高峰の一つエルブルースの登頂、ヨセミテ国立公園での登攀経験を持っています。近々カザフスタンの国際的なクライミングイベントのトラッド・ロック・フェスに参加を予定しています。2020年からはヒマラヤ地方にも活動域を広げていきたいと考えています。「求めよ、さらば与えられん」をモットーに山を全力で楽しみたいと思っています。

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