屋久島 豪雨の記録 14 {脱出}

屋久島 豪雨の記録 14 {脱出}

M氏の指示により まず、確か二人のガイドが先行し、道路が小崩壊している箇所の迂回路を手ノコで切り開いて通しておいて貰う。
で、ひとグループ6人かそこらのグループ分けをし、それぞれに一人ずつガイドが付き 多少の間隔をあけながら荒川林道を歩いて上がっていく事となった。

第一団の出発

M氏の指示ではとにかく「全体を自分の客として扱い、元々の自分の客だとか拘るな!」との事だったのだが そうはいってもコソコソっと自分のお客様方を見つけてその一団にガイドとして付く事にした。
少し歩くと

下りてきた自衛隊の人々。登山口で自衛隊が派遣されたという噂は聞いていたが・・「自衛隊の演習になる」と脅していたのが「本番」になっちまった。


警報クラスの雨が降った時のみ見られる「幻の滝」が道路脇、見た事無い水量で。

荒川分かれ手前の土砂崩れポイント。
他にもこの付近で立ち往生となったバスに乗っていたガイドさんがノコで処理済の倒木等も見られた。

荒川分かれを通過し下り始めると まぁ電柱が。

こういうことね。
三叉路付近で取り残されたメンツはここをのりこえていったらしいが 我々はこの左手の林の中に迂回路を構築、通過。

抜けた所。

まだ複数個所崩れ

あーまた崩れてるよ と思いきや

人混みというか行列というか・・ここが問題の大崩壊地点。13時21分撮影。

↑この写真の砂防ダム上に見えている緑+赤ロープで 三叉路付近に閉じ込められた人間達は先に下山したらしい。が、その後また増水し、再度ルート開拓のやり直しに挑戦中、との事だった。

しかし何とっても自衛隊が来ている。ここはバーンとあれだ、81式自走架柱橋{https://rikuzi-chousadan.com/soubihin/kakyou/type81kachuu.html}なんかきてビシッとやってくれるはずだ。

・・・・いや、全然。

土砂降りが続く中、ただひたすらに待ち続ける。

{これ・・やっぱ登山口のバスの中で待ってても良かった??}

てかだなぁ。消防・警察・自衛隊 と頭数は揃っているのだが同時に「何かをしている」様に見える人間は2-3人位しかいるように見えなかった。
自衛隊員が何だかロープを渡しているなぁと思いきや パワーショベルが近付いてきて お、やるか?と思いきやそのままバックしていったり。

そのうち現場にお弁当が届き始めた。なのでこちら側でバケツリレー方式に受け取って配った。
しかしどうも人数の半分ぶんしか無いらしく、たまたま列の先頭辺りにいた人だけにしか行き渡らなかった。

{当然我々ガイドは食べず。あとで聞いた話、ちゃんと人数分用意はしてあったのだが対策本部に半分置いてきてしまっていたのだとか・・トホホ}

そのうち、砂防ダムより下側に渡したロープをまたいじり始めたと思いきや

梯子に道板をつけた物が14時30分頃 やっと到着。{後で聞いた噂ではこれまた「持ってき忘れてた」らしい。}

まぁ、「救助された側」の立場である以上なんとも大きな声で言えたことでは無いのだが、{このブログ見てる人本当に少なそうだし書いちゃう。}彼ら消防・警察・自衛隊を統率する指揮系統はどうも無く、根本彼らの中にはこういう災害救助のプロは居ないように見えた。まぁ、実際それぞれに火消しと岡っ引きと兵隊なのだから仕方がない。それを責めるのであれば我々「山のガイド」だってここで最適解を出せても良いわけだ。

まぁ現場でその動きを見ながら一番居て欲しいね、と会話に出てきていたのは「土建屋さん」だった。単管パイプ等の枠組足場を慣れた職人に組ませればすぐに終わった上 数段安全だったと思われる。

↑足場据え付けほぼ完了。左側に立ち並ぶ多数の自衛隊員が何をしているのかは不明。

15時頃登山者を渡し始める。この時点でまた増水したようで、足場の梯子が結構水没状態なのが分かる。

我々ガイドは最後に渡る。

この写真が15時46分。

やっとだった。
ここから少し下りた場所に止められたバスに乗り込み ぐねぐねと山道を下った。いつもバスに乗るとすぐに寝てしまうのに、興奮していたのだろうか、寝不足の筈なのに眠くなかった。

あの どうしようもなく降り続け、ついぞ今まで土砂降りだった雨が、海が見える辺りまで来た頃には嘘のようにあがってきた。全てたちの悪い幻を見ていたかのようだった。
やっと、やっと、仕事が終わった。

 

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